「決定的瞬間」と言われるように、「今ここ」を切り取るのが写真の醍醐(だいご)味と思われがちだ。これに対し、元は広告写真の用語で、静止するモノを撮る「ブツドリ(物撮り)」はその対極。本展はこの言葉をあえて掲げ、200点以上で「もう一つの日本写真史」を紡ごうとしている。 冒頭に大辻清司の作品群を掲げ…